ジュンコ田中のカサンドラ脱却ストーリー第6章~第8章

第6章 蜘蛛の糸ー地獄から天国へと

カサンドラ脱却セミナーやハピリレコースでの受講生さんの変化を語るジュンコさんは、とにかく生き生きとしてパワフル、でもその裏側に、時折、彼女の中に隠れているある感情を感じました。

 

現在の夫は、18歳からお付き合いをしている、当時は「田中君」と呼んでいた。彼は周りの人やジュンコさんにはないユニークな発想ととびぬけている一風変わった才能、「この人には到底叶わない」と、ジュンコさんが感じる気持ちは、彼への憧れだった。

 

お付き合いをしている頃から、「そういえば、ちょっと冷や冷やするところがあり、このドキドキが恋なのかしら?とわからなかったけど・・(笑)」とジュンコさん。

 
大学生の頃の田中くんとのデート

 

そんな昔話から「彼は私が出会った18歳のままなのよね。。。」と話したジュンコさんはちょっと寂しそうでした。

 

一般的には、結婚して子供ができて、親になるなど
パートナーとは共に変化し成長していくからこそ、
お互い理解を深めあい、そして支えあえる。

 

ジュンコさんが母親になり、恋人だった彼は発達障害。
ジュンコさんは彼にとっては心の支えではあったが、
自分自身の心はずっと一人で支えてきた。
手足麻痺でベットで寝たきり、
乳がん治療で髪が抜けてしまっていた時でさえ。
共に成長し支えあって欲しかったパートナーの心は、
ジュンコさんの側にはいなかった。
その孤独をずっと抱えてこられた。

 

 

ジュンコさんはこれを芥川龍之介の作品「蜘蛛の糸」で語られる。

 

地獄の生活から一筋の蜘蛛の糸がキラリと光る、それは天国への道筋を示す希望の光。自分を変えるために、心を学び、光へと手を伸ばしがむしゃらに登り続けた。
ふと、下を見下ろすと、同じようにその蜘蛛の糸を辿って地獄から救いを求めて、もがきながら懸命に上ってくる人達がいる。

ジュンコさんは、その人たちの手をとって、一緒に登りたいと。

 


そんなジュンコさんの夢は、カサンドラ症候群の方だけでなく次の未来の世代へ引き継ぎたい想いへと広がっていった。

第7章 予防の心理学と世界平和を目指して

 

ーこれから広めていきたいのは「予防の心理学」ということですが、これははどんなものですか?

 

 

今、学問としてある臨床心理学は
心の病気になった人を治すというものです。

 

「予防の心理学」は「心について学ぶこと」で
それ以前の心の病気にならない
心の作り方を「心理学」として学ぶというアプローチです。

 

子供の頃から「心について学ぶ」ということが
「公教育」で導入されたら、本当にいいなと思うんです。

 

いじめ、鬱、自殺、障害者や発達障害に対する偏見、
これらはすべて全ての人が「心について学ぶこと」が
ベースになれば解決できるものだと思います。

 

 

教師を目指してある事件から発達障害に対して自分の使命を知る事になった教育実習の時
中学生の生徒さん達と一緒に。

 

 

最終的に私が「ラポール・ラボ」の活動を通じて
伝えたいことは「平和の実現」なんです。

 

 

私の亡くなった父は戦争体験者で、
小さい頃から当時の話をよく戦時中の話をしてくれました。

 

その話は、戦争が怖しっかったという話ではなくて、
飛行機工場の零戦(ゼロ戦)の中で昼寝しちゃっててなぁ〜
とかそんなお話でした。

 

そんな中でも、友達と冗談を言い合いながら過ごした日々を、
話してくれました。

 

でも、その友達は夢を見て行った満州から結局帰って来なかった・・と父は寂しげでした。

 

 

今ある平和な状態は
決して当たり前ではなくて、
奇跡的に守られているもの、
先代からの想いであることを忘れてはいけないし、
次の世代にも引き継いていきたいものです。

 

 


東京ウィメンズプラザでの講演会にて


学生時代のご主人と友達と

 

 

 

私は実は、自分の生まれ育った故郷がずっと嫌いだったんですよ。

 

 

愛知の田舎でね、
なぜ嫌いだったかってうと、
私が小学校の頃、「ドクソ」君っていう障害の男の子がいて、
いろんなところでおもらししたりウンチしたりするんです、
その「ドクソ君」と帰り道が一緒で、
否応なく彼の面倒を見る羽目になっていたんです。

 

 

また、中学では、
全体集会の帰りの廊下で特殊学級の子に抱きしめられて逃げられないのにいる、困っているのに誰も助けてくれなかったこと、思春期でしたら、過去の嫌な思い出として記憶が固定していましたね。

 

 

でも、逆にもっと幼い頃、
近所の仲良く遊んでいたお友達は身体に障害を持っていた子だったり、障害があるなしに関わらず、大好きだったんですよね。

 

 

心理学の授業の時に、自分の過去に戻って見るというワーク時、この過去に辿り着いたんたんです。

 

 

あ~、私は夫と会う前から、障害の人と関わる人生なんだなぁと。
これは私の人生の大切なキーワードなんだと。

 

そして、このワークで過去の印象を変てから、
その後の私の人生の印象も変わっり
今の自分のあり方も変化しました。

 

 

あんなに嫌いだった町が「なんていい町なんだろう」とも思えるようにもなりました。

 

 

障害の人が町の中で自由にして、
町がそれを受け入れていたんだと発見したんですよ。

 

 

ーご自身の幼少の頃の印象が変わると自分の人生の印象全てが変わってしまうんですね。それは大きな心の変化だったんでしょうね。だからこそ、旦那さんの発達障害ならではの行動を許し、自分のせいじゃないかと苦しんだカサンドラだった過去のご自身も愛せているのではないかと感じます。

 

 

 

18歳から共にいながらも、共に歩めないという事実、そう知った田中君との人生は「地獄」だと感じた日々でもあり、今でも時折、孤独と向き合う人生でもある。だからこそ、ジュンコさんにミッションがあり、人々が心が理解できないが故に争う「地獄」で苦しんでしまう世界を終わらせたいのではないかと、そう思う。

第8章 まとめ

 

幸せな時間はいつですか?の質問に、夕日が沈み空が茜色に染まっていくのを見る時というジュンコさん。

 

暗闇から太陽が顔をだし、また、陽が沈んで光から闇の世界へと景色を変える瞬間はマジックアワーと言われている。地球が放つ光が幻想的で魔法的な美しさからそう呼ばれている。

 

ジュンコさんの魂は、発達障害と言われる人達の出会いから「心の機能」について学ぶことを選択した、そして、彼女は「発達障害の人の心を学ぶ」このことを通じて「私達はお互いから学びあえる」ということを教えてくれた。

 

自分が大病を患った経験から、同じ経験をしないようにと、カサンドラ症候群の方だけでなく、鬱、子供のいじめや自殺など、それを未然に気づき防げるようにしたいという想い。

 

彼女が受け入れてきた苦しみと絶望の深さは、他の人のそれを感じることができる深さに相当する。

発達障害について無知だったとはいえ、それに苦しんだ彼女は発達障害の人の苦しみにすぐに寄り添えることができる。


結婚式の写真

 

自分の心の敵を克服することが、自分の周りから敵をなくすこと、これは世界でおきていることの縮図となり、「心について学ぶことが世界を平和にすること」を実現する。

 

東京にも拠点をつくり「もっと早く知りたかった」という受講生のために新しいチャレンジをやめることなく西へ東へ飛び回る。

最初は嫌がっていたが、東京オフィスへ遊びに来きたご主人と一緒に。

 

 

柔らかい優しい日差しのように、手を差し伸べてくれるジュンコさんの原動力はあらゆるものの苦しみを取り除き、愛情を感じたいという慈愛の心。

 

この慈愛の精神は、彼女が闇と光を経験することで育まれていったに違いない。闇を知っている彼女の優しさとは人を助けることができる強さである。

 

夜明け前と夕暮れ時に放ち、私たちの心を奪う美しさ、マジックアワーとは、慈悲深い愛が生まれている瞬間なのかもしれない。

 

苦しみや悲しみ、絶望さえも愛おしく感じることができる「心の真の力」をあなたと、いつか分かち合いたい。

 

 

インタビューアーsaiwaitomiyo

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